社労士(社会保険労務士)

[目次]

社労士(社会保険労務士)とは

会社の人事・労務のスペシャリストです。
会社の採用から退職までの社会保険の手続きや就業規則の作成など、労働法、社会保険に関わる法律を用いて、会社と従業員のトラブルを未然に防ぎ、会社の人事・労務をサポートします。

社会保険労務士の就職先・活躍の場は、社会保険労務士法人・社会保険労務士事務所、一般企業の人事部や総務部、労務部、他士業の事務所、コンサルティング会社です。

社会保険労務士の主な業務

・労働社会保険手続業務
・労務管理の相談指導業務
・年金相談業務
・紛争解決手続代理業務 ※特定社会保険労務士
・補佐人の業務

社会保険労務士事務所によって、労務相談・コンサルティングをメインに行っていたり、助成金に力を入れているなど様々ではありますが、社会保険労務士が扱う業務を広範囲に、労働保険・社会保険の手続、給与計算、労務相談、就業規則作成、助成金申請等を行っている事務所が多いと感じます。

社会保険労務士には、独占業務があり、1号業務、2号業務と呼ばれるものがは独占業務です。
端的に言いますと、社会保険労務士の資格を持たないものは、他人の求めに応じ報酬を得て、1号業務である労働保険、社会保険の手続、2号業務である法定帳簿(賃金台帳、労働者名簿)、就業規則の作成をしてはなりません。

”第二十七条 社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。”

社会保険労務士法第27条
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=343AC1000000089

補足として、”他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない”とあるのは、隣接士業は業務に付随して1号業務、2号業務を行なうのは許されています。
ちなみに3号業務は、労務管理や社会保険などに関する相談、アドバイス、コンサルティングですが、それらは、社会保険労務士の独占業務ではありません。

社会保険労務士になるには

社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験に合格した後に、実務経験2年以上又は事務指定講習の修了し、 連合会の社会保険労務士名簿に登録することでなることができます。
実務経験2年にかえて、事務指定講習の修了でも登録が可能です。

社会保険労務士の試験合格以外では、弁護士となる資格を有する者は、社会保険労務士の資格を有することができます。

特定社会保険労務士とは

社労士が特定社労士になるには、「厚生労働大臣が定める研修」を修了し、「紛争解決手続代理業務試験」に合格後に、その旨を連合会に備える社会保険労務士名簿に付記することでなることができます。

特定社労士は、 ADR ( 裁判外紛争解決手続 ) 代理業務を行うことができ、個別労働関係紛争を「あっせん」という手続きにより、簡易、迅速、低廉に解決できます。

労働紛争がおき、裁判による解決ですと長期期間に渡り、多額のお金がかかることが多いため、それを補うため、 2007年に特定社労士の制度が誕生しました。

社会保険労務士試験の受験資格

「①学歴」「②実務経験」「③厚生労働大臣の認めた国家試験合格」の3つに分けられ、この中のいずれか1つを満たしている必要があります。また申込み時には、受験資格を有することを明らかにすることができる書面『受験資格証明書』を提出しなければなりません。

社会保険労務士試験オフィシャルサイト:受験資格について
https://www.sharosi-siken.or.jp/exam/

社会保険労務士試験の日程

社会保険労務士試験は毎年8月の第4日曜日に行われます。
通常、 社会保険労務士試験の受験案内の配布期間は3月初旬より、 申込期間は4月中旬~5月下旬までとなっています。

詳細は社会保険労務士試験オフィシャルサイトを参照ください。
https://www.sharosi-siken.or.jp/

社会保険労務士試験の試験科目

・労働基準法
・労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法
・雇用保険法
・労働保険徴収法
・労務管理その他の労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法

社会保険労務士試験には「科目の免除」の制度があり、官公署での実務経験等により、免除資格者に該当するなら、試験科目の一部免除を受けることができます。

社会保険労務士試験オフィシャルサイト 免除資格者
https://www.sharosi-siken.or.jp/exampt/person/

社会保険労務士試験の難易度と勉強時間

社会保険労務士試験の出題は広範囲に渡り、難易度は高いです。
合格率は年によって増減はしますが、およそ6%~7%の間で、必要な勉強時間は一般的に1,000時間程度と言われています。

社会保険労務士試験に合格するには

独学では難しいため、資格学校を利用する方が多いです。
仕事をしながら、計画を立てて合格されている方が多数います。
通学、通信などの受講方法がありますが、好みの学習法に合わせると良いでしょう。
また、上述の通り、科目免除を受けることができる該当者であれば、対象の科目が免除となるため、その制度を利用するのが良いです。

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