司法書士

[目次]

司法書士とは

司法書士は不動産登記、商業登記の登記、供託等に関する代理手続・相談を行う法律事務の専門家で、市民に身近な法律家とも呼ばれています。

司法書士の就職先・活躍の場は、司法書士法人・司法書士事務所、法律事務所、一般企業の法務部です。

弁護士、行政書士との違い

隣接士業として、弁護士行政書士がいます。
弁護士は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て等に係わる、代理人として、和解その他の法律事務をすることができ、争いの事件等の価額に制限はありません。

行政書士は、市区町村役場などへの行政手続・書類作成の専門家です。
行政書士との違いは扱う書類が異なりますが、司法書士は、裁判所・検察庁・法務局等に書類を提出するため提出先も異なります。

司法書士の主な業務

・登記又は供託手続の代理
・(地方)法務局に提出する書類の作成
・(地方)法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理
・裁判所または検察庁に提出する書類の作成、(地方)法務局に対する筆界特定手続書類の作成
・上記1~4に関する相談
・法務大臣の認定を受けた司法書士については、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談※認定司法書士
・対象土地の価格が5600万円以下の筆界特定手続の代理及びこれに関する相談
・家庭裁判所から選任される成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人などの業務

そもそも登記とは、何か。
不動産登記は、不動産である土地、建物は一般に高額に取引きされる財産です。
もし、第三者が不正に不動産を取得しようとしても、書類に記録しておくことで、不動産の所有者が自分のものであると主張ができ、自己の財産を守る事ができます。

商業登記は会社の所在や役員構成、資本金の額、事業内容等を書類に記録しておくことで、取引き相手となる会社の素性が明確になり、安心して相手と取引きをすることができます。

供託とは、金銭などを法務局に預け、保管してもらうことで、一定の法律効果を発生させることです。
「弁済のためにする供託」を例にあげると、借りている側が地代や家賃を返済する際、貸している所有者側が受領拒絶、受領不能等をしている場合、供託によって弁済と同じ効果を発生させることができます。

日本司法書士会連合会 司法書士の業務
https://www.shiho-shoshi.or.jp/about/business.html

司法書士になるには

司法書士になるには、司法書士試験に合格した後に、新人研修を受講し、 司法書士連合会の名簿に登録することでなることができます。

【司法書士試験合格後の流れ】

新人研修
※必須
中央研修
ブロック研修
司法書士会研修(配属研修)
特別研修
※認定司法書士
簡裁訴訟代理等能力認定考査
日本司法書士連合会に登録

また、試験合格以外では、裁判所書記官等の指定の職務に通算して10年以上あるいは5年以上従事し、法務大臣から公的な認可を得ることでなることができます。

次に掲げる者は,法務大臣に対し,資格認定を求めることができる。

(1) 裁判所事務官,裁判所書記官,法務事務官又は検察事務官として登記,供託若しくは訴訟の事務又はこれらの事務に準ずる法律的事務に従事した者であって,これらの事務に関し自己の責任において判断する地位に通算して10年以上あったもの

(2)簡易裁判所判事又は副検事としてその職務に従事した期間が通算して5年以上の者

第2条 司法書士の業務を行うのに必要な知識及び能力を有するかどうかの判定は,口述及び必要に応じ筆記の方法によって行う。

法務省 司法書士の資格認定に関する訓令
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji39.html

認定司法書士とは

司法書士会の行う認定考査を受け、この考査に合格すると認定司法書士となることができます。

認定司法書士になると、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談ができるようになります。
訴訟代理業務ができるのは弁護士ですが、認定司法書士になると140万円以下の少額訴訟に限り、行うことができます。

司法書士試験の受験資格

受験資格の制限はなく、誰でも受験することができます。

司法書士試験の日程

司法書士試験は、筆記試験は毎年7月初旬の日曜日、筆記試験合格後の口述試験は10月中旬の平日に行われます。
4月上旬から受験案内・願書の配布開始がされ、5月上旬~5月中旬頃までが受験申請受付期間となります。

法務省 司法書士試験
https://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index3.html

司法書士試験の試験科目

【筆記試験】
憲法
民法
刑法
商法、会社法その他関連法
民事訴訟法
民事執行法
民事保全法
司法書士法
供託法
不動産登記法(択一式、記述式)
商業登記法(択一式、記述式)

【口述試験】
不動産登記法
商業登記法
司法書士法

筆記試験に合格した者は次回の筆記試験は免除となります。

司法書士試験の難易度と勉強時間

司法書士試験は、国家資格試験の中でも難易度の高い試験です。
合格率はは上がってきているとはいえ
4%前後の合格率の低さで、合格に必要な勉強時間は一般的に3,000時間と言われています。

司法書士試験に合格するには

独学では難しいため、資格学校を利用する方が多いです。
通学、通信などの受講方法がありますが、好みの学習法に合わせると良いでしょう。

資格スクールの紹介

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