リスキリングとは、導入に関して
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リスキリングとは
経済産業省で「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義されています。
近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)、デジタル化に伴い、仕事の進め方が大幅に変わり、デジタルに係わるスキル習得の必要性が増しています。
例えば、コロナの影響で在宅勤務が増え、従来の紙を用いた事務作業ではなく、クラウド上で作業をする会社が増えました。
クラウドを導入し、運用するにも関連する知識が必要となり、IT技術に係わるリスキリングが必要不可欠になってきています。
経済産業省 リスキリングとは
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf
OJT、リカレント教育とリスキリングの違い
OJTは、一般的に社内で上司・先輩が近くにおり、先輩が業務上、必要なことを教えながら仕事をして、覚えさせることです。
リカレント教育は学んだ後、仕事に就き、必要にかられ再び学び直すことであり、学ぶために一旦、職を離れることが前提になっています。
よって、OJT、リカレント教育とリスキリングは異なります。
リスキリングによる効果
社内でリスキリングの取組を行い、特にデジタルに係わる知識を専門的に学習した場合は、自己でデジタル技術を駆使して、業務効率が大幅に上がることが見込まれます。
業務効率が大幅に上がることにより、残業時間が減り、ワークライフバランスが充実します。
社内で教えあう機会が増え、コミュニケーションが闊達になるでしょう。
1.業務効率が大幅に上がる
2.残業時間が減り、ワークライフバランスが充実
3.コミュニケーションが活発になる
社内でリスキリングを導入するには
まず、他社のリスキリング事例を知る機会を設けた方が良いです。
他社の事例を参考に、自社で何のスキルを身につけるか具体的に決め、加えて、リスキリングを行う期間、習得レベルの目標を決めます。
具体的に何のスキルを身につける等が決まったら、外部機関に委託する方法にするか、社内で講師を募り、社内で行う方法にするか決めます。
忘れてはならないのは、リスキリングの障壁となるものの撤廃や意識改革が必要となります。
リスキリングの障壁となるものの代表的なものが仕事中心の考えや残業体質です。
仕事中心の考えや残業体質は、新しいスキルを学ぶ機会を失ってしまう恐れがあります。
意識改革として、学ぶ楽しさを根付かせ、スキルが向上することで業務効率があがり、残業が減ります。
会社は業績が伸び、従業員のスキルは向上します。
1.他社のリスキリング事例を知る
2.何のスキルを身につけるか具体的に決める
3.外部機関に委託するかなどリスキリングの方法
4.リスキリングの障壁となるものの撤廃や意識改革
リスキリングの導入事例
【yahoo】
ポータルサイトのYahoo! JAPANなどを運営するyahooでは、リスキリングの取組の一環として、「Yahoo!テックアカデミー」を設立しました。
若年層の人口減少などに伴い、IT関連産業の人材は2019年に減少に転じ、IT人材の育成に今後5年で1兆円を投じると首相が表明するなど、国内の人材育成が必要性が増している背景によるものです。
ヤフーは人材教育事業に取り組むことにより、IT人材不足の課題を解決していくことを目標に掲げています。
Yahoo! JAPAN Yahoo!テックアカデミー責任者が語る「IT人材育成への思い」
https://about.yahoo.co.jp/topics/20221130.html
【富士通】
総合人材育成企業 株式会社富士通ラーニングメディアは、新たにDX推進に対応するためのリスキリング、個人のマインド醸成、企業・組織のカルチャー変革、最新の技術トレンドなどの分野について122コースの拡充しました。
DXを推進し、変革を断行できる人材が持つべき「デジタル戦略・組織」、「デジタル思考」、「デジタルプロセス」、「デジタルテクノロジー」、「デジタルリテラシー」の5つの要素を軸とした人材育成コースに加え、今後は自律的なキャリア形成や個人のWell-Being実現をサポートする分野に幅をひろげ、人と組織が、共に成長する人材育成をめざしていくそうです。
富士通ラーニングメディア
https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/about/resources/news/press-releases/2022/0707.html
まとめ
以前、一部の職種でAI(人工知能)により仕事がなくなるのではと一時騒がれました。
2014年、AI研究者であるマイケル・A・オズボーン博士による発表論文で、ITの発達による自動化(AIロボット化)により、「10年後には今ある職業の半分がなくなる」と唱えられたことによるものです。
AIによる仕事の変化は、今後、我々が何度か経験していく出来事のひとつに過ぎません。
人類は、そのような技術革新を何度も経験しています。
18世紀後半にイギリスから始まった技術革新による産業構造の変化がその一例と言えます。
結果として、イギリスから始まった産業革命によって、職を失った職人は大勢いたと推測します。
しかし、時代の波に乗り、職人は機械化を受け入れ、機械の扱い方を学習し、リスキリングして乗り切った職人達が大勢いたのでは思います。
10年先、または20年先を見据えてリスキリングし、時代の波に乗れたものが生き残ってていくのです。
そして、資格・検定の取得はリスキリングのひとつの手段になるでしょう。