【社労士監修】教育訓練給付制度を活用ください

[目次]

教育訓練給付制度とは

厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される雇用保険の制度です。
資格学校等で提供している資格・検定のコースで 教育訓練給付が支給されるものと支給されないものがあるため、注意が必要です。

引用:厚生労働省 教育訓練給付制度

支給対象者

雇用保険の被保険者(在職者) 、 雇用保険の被保険者であった方(離職者) が対象者となります。

教育訓練の種類

教育訓練給付は一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の3種類があり、それぞれ支給額の上限や支給要件が定められています。

一般教育訓練

・その他の雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練が対象となります。
・受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。

一般的な資格、検定が対象となっています。
例として、ユーキャンでは、社会保険労務士、宅地建物取引士、簿記2級、衛生管理者等が対象となっています。
英会話スクールの ECC外語学院 では、一部コースが対象となっています。

厚生労働省:教育訓練給付制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html

特定一般教育訓練

・特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象となります。
・受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給されます。

業務独占資格、名称独占資格若しくは必置資格の取得を目標とする養成課程又はこれらの資格の取得を目標とする課程が多く、 税理士、社労士、大型自動車第一種免許等が対象となっています。
特定一般教育訓練の対象となるかは、資格学校に確認した方が良いでしょう。


厚生労働省:特定一般教育訓練の指定講座を公表しました(令和4年4月1日付け指定)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23744.html

・特に労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象となります。
・受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給されます。
・資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給されます。
・なお、失業状態にある方が初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する場合、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たせば、別途、教育訓練支援給付金が支給されます。

専門実践教育訓練

一年以上の長期で資格取得を目的とする看護師、介護福祉士、保育士、建築士、 MBAなどが対象となります。

政府広報オンライン:専門実践教育訓練給付金の拡充で あなたのキャリアアップを支援します
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201408/1.html

まとめ

特定一般教育訓練、専門実践教育訓練は給付金の受給額が大きいですが、対象の講座・課程が限られています。
一方、一般教育訓練は対象となっている資格・検定の講座が多く、雇用保険に加入している会社員の方であれば、3年以上(初めて教育訓練給付金を受給する場合は1年以上) 勤めている場合、受給できる可能性がありますので、忘れず申請ください。