建築士

[目次]

建築士とは

建築物の設計、工事監理等を行う建築の専門家です。
建築士は国家資格であり、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があり、等級が上になるほど扱う建造物の規模が大きくなります。

建築士の就職先・活躍の場としては、総合建設業(ゼネコン)、設計事務所、不動産会社、住宅メーカー、コンサルティング会社、官公署など幅広くあります。

建築士の主な業務

建築士の仕事は大きく3つに分けられます。

設計業務 外観などのデザイン設計をする意匠設計
耐震性能や強度を設計する構造設計
給排水、電気、空調の設備設計をする設備設計
工事監理業務 建物が設計通りに作られているか確認を行う
手続き業務 建設許可や道路の使用許可申請などの行政手続き等

一級建築士、二級建築士、木造建築士の違い

  扱える建築物 免許
一級建築士 建築物の規模、構造の制限はなし 国土交通大臣
二級建築士 建築物の規模、構造は一定のものまで 都道府県知事
木造建築士 木造の建築物のみで、建築物の規模は一定の規模まで 都道府県知事

一級建築士とは

国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、設計、工事監理等の業務を行い、建築物の規模、材質(木造、鉄筋コンクリート等)の制限はありません。
一級建築士には①造設計一級建築士、②設備設計一級建築士という、さらに上位資格があります。

構造設計一級建築士

一級建築士として5年以上構造設計の業務に従事した後、所定の講習を修了し、構造設計一級建築士証の交付を受け、一定の建築物の構造設計又は構造設計一級建築士以外の一級建築士が行った構造設計の法適合確認を行います。

構造設計一級建築士の制度が生まれた理由として、平成17(2005)年に地震などに対する安全性の計算を記した構造計算書が偽造されていたことが次々と公表された一連の事件である、耐震偽装問題がきっかけとなりました。

設備設計一級建築士

一級建築士として5年以上設備設計の業務に従事した後、所定の講習を修了し、設備設計一級建築士証の交付を受け、一定の建築物の設備設計又は設備設計一級建築士以外の一級建築士が行った設備設計の法適合確認を行います。

設備設計一級建築士の制度が生まれた理由として、構造設計一級建築士の創設理由と同様に、平成17(2005)年に起きた一連の耐震偽装問題がきっかけとなりました。

一級建築士の受験資格、一級建築士になるには

【受験資格】※2022年時点
建築に関する学歴又は資格等
・大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において、国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した者
・二級建築士
・建築整備士
・その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等)

一級建築士の試験に合格後、実務経験を満たしていれば、国土交通大臣の免許を受けることで一級建築士になれます。

日本建築士会連合会 建築士試験の受験資格
https://www.jaeic.or.jp/smph/shiken/1k/exam-qualifi-1k/index.html

二級建築士とは

都道府県知事の免許で、建築物にかかわる設計、工事監理等を行います。
木造建築の場合は高さが13メートル又は軒の高さが9メートルを超えないもの、 木造以外の鉄筋、鉄骨造などの場合は延べ面積が30平方メートル~300平方メートル、高さが13メートル又は軒の高さが9メートルまでの建物の設計ができます。

二級建築士の受験資格、二級建築士になるには

【受験資格】※2022年時点
建築に関する学歴又は資格等
・大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者
・建築設備士
・その他都道府県知事が特に認める者(外国大学を卒業した者等)
・建築に関する学歴がない場合、7年以上の実務経験

二級建築士の試験に合格後、実務経験を満たしていれば、都道府県知事の免許を受けることで二級建築士になれます。

建築技術教育普及センター 受験資格
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/exam-qualifi-2kmk/index.html

木造建築士とは

都道府県知事の免許で、木造の建築物に関して設計、工事監理等を行います。
2階以下で、延べ面積が300㎡以内の建物の設計ができます。

木造建築士の受給資格、木造建築士になるには

【受験資格】※2022年時点
建築に関する学歴又は資格等
・大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者
・建築設備士
・その他都道府県知事が特に認める者(外国大学を卒業した者等)
・建築に関する学歴がない場合、7年以上の実務経験

木造建築士の試験に合格後、実務経験を満たしていれば、都道府県知事の免許を受けることで木造建築士になれます。

建築技術教育普及センター 受験資格
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/exam-qualifi-2kmk/index.html

建築士試験の日程

一級建築士試験 年に一度 4月に申し込み、7月に学科試験、10月に製図試験
二級建築士試験 年に一度 4月に申し込み、7月に学科試験、9月に製図試験
木造建築士 年に一度 4月に申し込み、7月に学科試験、10月に製図試験

建築士試験の試験科目

【一級建築士試験】
建築士法改正により、令和2年以降の学科試験に合格した場合、設計製図試験は、その年を含めた5年のうち3回を任意に選択して学科免除で受験することができるようになりました。

学科の試験 学科I(計画)
学科II(環境・設備)
学科III(法規)
学科IV(構造)
学科V(施工)
設計製図の試験 設計製図

【二級建築士試験】

学科の試験 学科I(建築計画)
学科II(建築法規)
学科III(建築構造)
学科IV(建築施工)
設計製図の試験 設計製図

【木造建築士試験】

学科の試験 学科I(建築計画)
学科II(建築法規)
学科III(建築構造)
学科IV(建築施工)
設計製図の試験 設計製図

建築士試験の合格率と勉強時間

各建築士試験の合格率と勉強時間は下記にまとめましたが、一級建築士試験は難易度が高く、勉強時間は1000時間となります。

  合格率(総合) 勉強時間
一級建築士試験 10% 1000時間
二級建築士試験 25% 700時間
木造建築士試験 30~40% 300時間

建築士試験に合格するには

特に一級建築士試験は難易度が高いため、独学では難しく、資格学校等を利用する方が多いです。
効率よく合格を目指すなら、資格学校等を利用した方が良いでしょう。

総合資格学院
資格の学校TAC
日建学院
スタディング
SAT
全日本建築士会
ハウジングインテリアカレッジ(HIC)