エンベデッドシステムスペシャリスト
[目次]
エンベデッドシステムスペシャリストとは
エンベデッドシステムスペシャリストはITエンジニアの一種であり、エンベッドシステム(組み込みシステム)を専門とするエンジニアで、国家試験です。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、IoTを含む組込みシステムの開発に関係する広い知識や技能を活用し、最適な組込みシステム開発基盤の構築や組込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行います。
IoTとはInternet of Thingsの略称で、あらゆるモノをインターネットやネットワークに接続する技術であり、モノのインターネットとも言われます。
例えば、スマホでエアコンを作動させ、電源のON、OFFを外出先で行うということももIoTのひとつです。
エンベデッドシステムスペシャリストの就職先・活躍の場は、SIer、情報通信・電子機器関連企業などとなります。
情報処理推進機構(IPA) エンベデッドシステムスペシャリスト
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/es.html
ITエンジニアの種類
ITエンジニアは、いくつかに分類され、Web系、システム開発系、インフラ系、ハードウェア系に分かれます。
Web系はWebエンジニア、システムやソフトウェア開発系はシステムエンジニア、インフラ系はネットワークエンジニアやデータベースエンジニア、ハードウェア系は組み込みエンジニアなどです。
エンベデッドシステムスペシャリストはハードウェア系の組み込みエンジニアとなります。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験合格のメリット
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は非常に難易度が高く、ITエンジニアとして高いスキルを保持していることを客観的に証明でき、企業からは重宝されるでしょう。
また、エンベデッドシステムスペシャリスト試験の合格により弁理士試験の選択科目の科目免除の対象となります。
特許庁 弁理士試験の選択科目が免除される情報処理技術者試験合格者の試験区分
https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/document/ronbun-menjo-shikaku/03.pdf
業務と役割
IoTを含む組込みシステムに関するハードウェアとソフトウェアの要求仕様に基づき、組込みシステムの開発工程において、開発・実装・テストを実施する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導します。
(1)IoTを含む組込みシステムを対象として、機能仕様とリアルタイム性を最適に実現するハードウェアとソフトウェアのトレードオフに基づく機能分担を図り、設計書・仕様書の作成を行う。
(2)組込みシステム開発における各工程の作業を主導的に実施する。
(3)特定の技術・製品分野についての高度で専門的な知識・開発経験を基に、開発する当該分野の専門家から技術上の知識を獲得して、開発の各工程に反映させる。
(4)開発を遂行する上での開発環境を整備し改善する。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の受験資格
年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の日程
年1回、10月の第3日曜日に実施されます。
案内書・願書配布 | 7月上旬から |
願書受付 | 8月中旬 |
試験(午前・午後試験) | 10月の第3日曜日 |
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の試験科目
午前Ⅰ 多肢選択式(四肢択一) |
・テクノロジー系 ・マネジメント系 ・ストラテジ系 |
午前Ⅱ 多肢選択式(四肢択一) |
・コンピュータ構成要素 ・システム構成要素 ・ソフトウェア ・ハードウェア ・ネットワーク ・セキュリティ ・システム開発技術 ・ソフトウェア開発管理技術 ・ビジネスインダストリ |
午後Ⅰ・Ⅱ 記述式・論述式 |
・組込みシステムの設計・構築に関すること ・組込みシステムのソフトウェア設計に関すること ・組込みシステムのハードウェア設計に関すること ・保守に関すること |
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は高度情報処理技術者試験であり、高度情報処理技術者試験の午前Ⅰ試験には免除制度があり、以下の条件のうち、いずれかを満たすと以降2年間にわたって午前Ⅰ試験が免除されます。
・応用情報技術者試験の合格者
・高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の合格者
・高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点を獲得した人
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の合格率
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は情報処理技術者試験で最高難度のレベル4に分類され、合格率は17%前後となっています。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験に合格するには
独学で合格することは可能ですが、資格学校を利用した方が効率が良いでしょう。
応用情報技術者試験の合格により、午前Ⅰ試験が免除されるため、試験の労力が軽減されます。
応用情報技術者試験の合格後にチャレンジするのも良いでしょう。